2024年02月12日
第49回新沖縄文学賞贈呈式
2月7日にパシフィックホテル沖縄で沖縄タイムス学術・出版三賞の贈呈式がありました。
新聞などでお名前を拝見する方々と肩を並べる事態に、ワタクシ大変いたたまれない。
しかし、控室で直接お話しする機会もあり、大変勉強になりました。
贈呈式はコロナ禍のお陰で4年ぶりということもあり、主催者が想定するより多くの来場者となったようです。
毎回思うのですが、皆さん、すごいですね。
それこそ受賞者の人徳と申しましょうか。
行列ができるほどお祝いに駆けつけるんですね?
声をかけなくても新聞を見ていらっしゃる……ということなんでしょうね?
それともお祝いに来た方々の徳が高いのか……連絡なくとも駆けつけるというのは徳が高くないとできませんよ。
本当に。
徳の話はさておき。
受賞者代表挨拶で「沖縄戦後世代の精神史」(未來社)の著者・仲里効さんの「精神のリレー」という言葉に感動しました。
私たちは生まれ落ちた瞬間からさまざまな情報、価値観に触れ、さまざまな経験を通して思考を深めていくわけですが、
それは親や先輩といった直接的な関係者の経験を分けてもらったり
また書籍、舞台、芸術といったものから間接的に分けてもらうことで形成してゆくわけです。
「自分の考え」と思っていることも、実は全くのオリジナルではなく、誰かの経験を分けてもらい、
そこを土台に一歩……半歩進めたものだったりします。
そのように少しずつ経験を次の世代に渡して行くという営みがずっと繰り返されている。
とても壮大なリレー。
私の小さな作品も、親の体験であったり、取材などで得た情報だったり……誰かの経験を受け継いだものです。
私の拙い作品を誰かが受け取ってくれたらいいと思います。
さて。
今回、私の作品は佳作という結果に終わりました。
どういう形であっても入賞したというのはありがたいです。
私は賞が欲しいわけではなく、作家になりたいわけでもありません。
両親の戦争体験を伝えるために、今は文学賞に挑戦するしかないのでやっています。
会場で選考委員の又吉栄喜さんがわざわざ声をかけてくださいました。
その際に「感動させてやろう、うまく書いてやろうとは思わずに大切なことを忘れずに書いて欲しい」とおっしゃっていました。
わずかな時間でしたが、私自身大切にしたいと思っていたことと合致していましたので、その件に関してはブレることなく頑張ろうと思いました。
というか、「上手く」とか「感動させて……」とか思って書けるもんでもないですよ……感情はそれぞれのものですし。
ありがたいことに多くの方から「来年は正賞を」と言っていただきました。
そうですね。
正賞となるとメディアミックスの可能性が高くなると思いますが、そういう色気を出さずにまずは淡々と書くだけです。
だらけずに。
おしまいに。
今回も取材で沢山の方の力を借りました。
しるべ石の資料についてあれこれ教えてくれたディレクターの謝花さん。
PHSの基地局の件を教えてくれた新川さん。
主人公が歩くルートの件で相談に乗ってくださったひめゆり平和祈念資料館。
心折れそうな時に励ましてくれた強い友人たち!
何より何度も作品を読んでくださった松野大介さんに心より御礼申し上げます。
拙作は1月1日よりタイムスのWEBで公開されています。
☟こちらから
*写真はカメラマンの大城弘明さんが提供くださいました。ありがとうございます。
新聞などでお名前を拝見する方々と肩を並べる事態に、ワタクシ大変いたたまれない。
しかし、控室で直接お話しする機会もあり、大変勉強になりました。
贈呈式はコロナ禍のお陰で4年ぶりということもあり、主催者が想定するより多くの来場者となったようです。
毎回思うのですが、皆さん、すごいですね。
それこそ受賞者の人徳と申しましょうか。
行列ができるほどお祝いに駆けつけるんですね?
声をかけなくても新聞を見ていらっしゃる……ということなんでしょうね?
それともお祝いに来た方々の徳が高いのか……連絡なくとも駆けつけるというのは徳が高くないとできませんよ。
本当に。
徳の話はさておき。
受賞者代表挨拶で「沖縄戦後世代の精神史」(未來社)の著者・仲里効さんの「精神のリレー」という言葉に感動しました。
私たちは生まれ落ちた瞬間からさまざまな情報、価値観に触れ、さまざまな経験を通して思考を深めていくわけですが、
それは親や先輩といった直接的な関係者の経験を分けてもらったり
また書籍、舞台、芸術といったものから間接的に分けてもらうことで形成してゆくわけです。
「自分の考え」と思っていることも、実は全くのオリジナルではなく、誰かの経験を分けてもらい、
そこを土台に一歩……半歩進めたものだったりします。
そのように少しずつ経験を次の世代に渡して行くという営みがずっと繰り返されている。
とても壮大なリレー。
私の小さな作品も、親の体験であったり、取材などで得た情報だったり……誰かの経験を受け継いだものです。
私の拙い作品を誰かが受け取ってくれたらいいと思います。
さて。
今回、私の作品は佳作という結果に終わりました。
どういう形であっても入賞したというのはありがたいです。
私は賞が欲しいわけではなく、作家になりたいわけでもありません。
両親の戦争体験を伝えるために、今は文学賞に挑戦するしかないのでやっています。
会場で選考委員の又吉栄喜さんがわざわざ声をかけてくださいました。
その際に「感動させてやろう、うまく書いてやろうとは思わずに大切なことを忘れずに書いて欲しい」とおっしゃっていました。
わずかな時間でしたが、私自身大切にしたいと思っていたことと合致していましたので、その件に関してはブレることなく頑張ろうと思いました。
というか、「上手く」とか「感動させて……」とか思って書けるもんでもないですよ……感情はそれぞれのものですし。
ありがたいことに多くの方から「来年は正賞を」と言っていただきました。
そうですね。
正賞となるとメディアミックスの可能性が高くなると思いますが、そういう色気を出さずにまずは淡々と書くだけです。
だらけずに。
おしまいに。
今回も取材で沢山の方の力を借りました。
しるべ石の資料についてあれこれ教えてくれたディレクターの謝花さん。
PHSの基地局の件を教えてくれた新川さん。
主人公が歩くルートの件で相談に乗ってくださったひめゆり平和祈念資料館。
心折れそうな時に励ましてくれた強い友人たち!
何より何度も作品を読んでくださった松野大介さんに心より御礼申し上げます。
拙作は1月1日よりタイムスのWEBで公開されています。
☟こちらから
2024/01/01
*写真はカメラマンの大城弘明さんが提供くださいました。ありがとうございます。
Posted by ぱな87 at 20:46│Comments(3)
│いつも修行中・いろいろ雑感
この記事へのコメント
お久しぶりです。20代の頃に、専門学校の一期生としてお世話になった者です。
諸見里先生『沖縄タイムス学術・出版三賞』受賞おめでとうございます。
諸見里先生『沖縄タイムス学術・出版三賞』受賞おめでとうございます。
Posted by MO at 2024年02月13日 08:37
忘れずに気にかけてくれてありがとうございます。
投稿でははっきりとどなたかわかりませんが、お元気ですか?
投稿でははっきりとどなたかわかりませんが、お元気ですか?
Posted by ぱな87 at 2024年02月14日 20:41
お気遣いありがとうございます。奥原です。
お陰様で元気に過ごせています。
生徒だった頃よりも元気かもしれません(^_^)
先生もお体に気を付けてお過ごしください。
お陰様で元気に過ごせています。
生徒だった頃よりも元気かもしれません(^_^)
先生もお体に気を付けてお過ごしください。
Posted by MO at 2024年03月07日 08:34