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2023年03月20日

エッセイ「右も左も本当はね」

エッセイ「右も左も本当はね」

 桜坂劇場で3月11日から公開が始まったドキュメンタリー映画 劇場版「センキョナンデス」と、同じく桜坂劇場で3月17日から公開が始まった「妖怪の孫」を見てきた。沖縄では3月16日から石垣島の自衛隊駐屯地が開設し、同じく16日、辺野古をめぐる2つの訴訟で沖縄県が敗訴、中国が尖閣周辺で領海侵犯し、北朝鮮がまたしてもミサイルを撃ち日本海に落下したという状況だ。
 「センキョナンデス」は、ダースレイダーさんとプチ鹿島さんが2022年の参議委員選挙を追いかけている。冒頭から「選挙の祭り感にテンション上がる」と、選挙独特の熱気を伝えている。「あーこんな感じだったなー」と選挙レポートに入った時のことを思い出した。選対事務所のピリピリした雰囲気。支持者の期待と候補者の緊張感。報道各社の静かな戦い。いつもあの雰囲気には飲まれてしまう。勉強不足という自信のなさもあるからだけれど。レポートに入る時には一応勉強していくが、付け焼き刃も付け焼き刃。「一応ニュースはチェックしています」くらいではダメ。常日頃から候補者だけでなく、広く政治と社会について深く勉強していないと歯が立たないと痛感したものだ。プチ鹿島さんは毎日新聞14紙を読み比べているというし、ダースレイダーさんは海外メディアについても詳しいということなどで情報量が私などとは全く違う。だからどの候補者と話をしても堂々と渡っていける。比較になりません。いやほんとすみません。
 もう一つ感心したのは話を聞く姿勢。保守であろうと革新であろうと、相手に敬意を払いフラットに質問してゆく。もちろん彼らにも信条はあるだろうが、話を聞く時にはあくまでも中立だったと思う。そこには単純に「知りたい」というのがあるように感じた。「この政策についてどういう考えなの?」であったり、「どうしてこういう行動を取っているの?」という問いかけは、保守革新……支持政党はない有権者にとってとても貴重な情報をもたらしてくれる。実際、彼らがフットワーク軽く追いかけたおかげで、通常のニュースでは得られない事が多くあった。安倍元総理が銃撃された際の、自民党以外の候補者の反応とか。詳しくは映画を見て欲しい。
 「妖怪の孫」は、安倍元総理と自民党政治に焦点を当てた映画だ。これは数年前に物議を醸した映画「主戦場」と合わせて見てもらいたい1本だ。「センキョナンデス」で、自民党候補側から「映画のこととかでナーバスになってるから」というような声がちょいちょいあったが、この映画のことかもしれない。(その前に「パンケーキを毒味する」もあったし)この映画は、安倍さんや自民党支持者からは「敵認定」されているようで、上映館などに電凸といわれる苦情の電話が殺到したらしい。そうね。支持者からすると面白くないこともあるかもしれない。タイトルからして攻めているから私はドキドキヒヤヒヤして落ち着かない。だからと言って電凸はどうかと思うけれど。これもまた今の日本を表しているなと思う。
 でも、電凸しちゃう人達もこの映画を、この視点で見てちょっと考えて欲しい。映画で取り上げている事は全ての国民に関係している=私のこと、あなたのこと。政治とはその時の政権の支持者だけが得をするものでなく、支持者でなくとも等しく平和に生活できるようにするものであること。これまでの政治で私たちの生活は豊かになったのか。国は豊かになったのか。国民がのびのびと生活できるようになったのか。「妖怪の孫」の根幹にはそういったシンプルな問いかけがあると思う。
 さて。映画を受けて改めて私の周りを見てみよう。先に書いたように石垣の自衛隊基地の件や、辺野古をはじめとする米軍基地や安保の件。周辺国との事。きな臭い。日に日にきな臭くなっている事に焦りを覚える。それ以外にも子ども食堂は増加し、収入は増えないのにインボイスなど納得できない制度でさらに苦しくなりそう。物価の高騰は止まらないし、マイナンバーカードにしないと保険料割高になったりするらしい。なんで? 私だけがそう思ってる? みんな納得してるの? 最低所得県沖縄だから? いやいや。沖縄だけの話ではなく、日本に暮らすみんなに適用されています。
 あなたが思う平和とか、安心できる生活ってどんな形ですか? こうあって欲しいと思う社会って、国の形ってどんなものですか? そしてそれは実現されていますか? 実現するような行動を取っていますか? 実現するには何が必要だと思いますか?
 映画の問いかけがブーメランのように私にも返ってきている。

エッセイ「右も左も本当はね」


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Posted by ぱな87 at 15:09│Comments(0)書き描き下記?
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